株式会社伊藤印材店 裏話4 栃木県 宇都宮市 印章専門店 - 伊藤印材店オフィシャルサイト

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ハンコ屋ちょこっと裏話 パート4 書体のお話し

実印などを作る際に用いられる事の多い『篆書体』。
篆書体に関連するお仕事をされていないと、なかなか読めない文字ですよね。
読めないからといって、なんとなく適当に雰囲気や思い付きで作っているわけではありません。
その方がその都度勝手に作ってしまっていたら、他の人には読めない物になってしまいますから。

この篆書体、実はとっても歴史のある文字なんです。
文字の始まりはもっと古い時代になりますが、ここでは『秦』の時代以降の説明になります。

篆書体
天下を統一した『秦の始皇帝』が丞相(じょうしょう)李斯(りし)に命じ、
それまで地域ごとに、それぞれが違った文字が使われていた文字の統一化を図ったと言われています。
重心が高めで均整のとれた美しい造形をしています。
これを小篆(しょうてん)と呼びます。秦篆と呼ばれる事もあります。

この小篆を元に、ハンコに納まりやすい様に考案された物が印篆(いんてん)と呼ばれます。
小篆を元に、線が多い所は省略し、線が少ない所は増やすような工夫が見られます。

そしてこの印篆という文字は、『たくさん形がある』とゆう特徴があるのです。
一つの文字に対して、複数のバリエーションが存在するのです。
他の書体では、このような特徴はあまり見られません。
一つの文字に対して何種類・・・と決まっているわけでもありません。
バリエーションが多い少ないは、文字によってマチマチです。
例えば、バリエーションが多い文字の一つに『之』とゆう文字があります。
名前では和之(かずゆき)などの『ゆき』と読む字です。
『之』と書いて『の』とゆう読み方もあります。
『株式会社〇〇〇之印』や『代表取締役之印』など出番が多い字でもあります。
日本紙幣の表側の印にも『総裁之印』と彫られています。

出番が多いからバリエーションも増えていったのかもしれませんね。
この『之』とゆう文字、例えば一つの辞書に15パターン載っていたりします。

そして印篆とゆう文字は、組み合わせる他の文字によって、
バランスを見ながらくずす(変化させる)とゆう特徴もあります。
しかし、好き勝手にくずして良い物ではないと私は思います。
その文字の成り立ちや意味に基づいて、文字を研究する必要があります。

今現在、通常使用される文字(楷書等)などでは、同じような形になった文字でも、元の意味は全く違う物が有ります。

例えば、
藤 腰 有

この文字の中にある、『月』に見える部分。
今の文字で書くと、どれも書き分ける事なく『月』



でも成り立ちは、『舟 肉 月』なんですね。

「一説には肉は月の事である。」
なんて書いてあったりするのでややこしいです。
肉の月は、体の部位を示す字に多く使われていますよね。
肌・肋・肝・股・肘など。

では『』とゆう字は?
朝の文字の中に日と月が入ってるから、日が昇って月が隠れるって意味で、『
・・・だと思うじゃないですか。
でも舟なんですよ、これが。。。



現代の字では、どれも月なので読み間違う事はないと思いますが。

では、『』などに使われる、カタカナの『』のような偏。
これは『』を表しています。

その名もズバリ・・・ 
《しめすへん》。そのまんまですね。


篆書になると、示の形がはっきりしますね。

では、補や裕などの偏。
カタカナのネに一本足したような形。
とゆう事は、篆書の場合、篆書の示に一本足したような形になりそうじゃないですか?
ところが全然違うんです。
この部分は『』を表しています。

その名もなんと・・・
《ころもへん》。・・・・・失礼しました。



このように現代の文字では似たような形になっていても、本来の意味は全く別な物を表している場合があります。
ですので辞書などをよく見て、自分で勝手な解釈でくずすのではなく、
常に正しい文字を彫るよう心掛ける事が大切であると思います。


〒320-0038 栃木県宇都宮市星が丘2丁目6番10号
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